住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

2020年に向け、植物の“暑さ対策”も進む

2020年東京オリンピック・パラリンピックの開幕まで5年を切りました。
開会式が開催されるのは2020年7月24日。まさに暑い(熱い)最中のオリンピックであり、熱中症に対する懸念が高まっています。大会日程を今年の気温に当てはめると、開催期間の実に半数以上が猛暑日となるとの予想も・・・。

ところで、オリンピックにおいて過酷な環境下に置かれるのは出場選手や観客だけではありません。大会を彩る草花にとっても暑さはリスクとなるのです。

そこで、2020年東京オリンピック・パラリンピックの競技会場が多く立地する臨海地域において、猛暑が叫ばれる日本の夏の過酷な気象条件でも美しく咲き誇る花や緑を「おもてなしガーデン」として展開し、その技術を5年後の本大会開催に向けて国内外へ情報発信しようという試みが行われています。

これは、「花と緑のおもてなしプロジェクト2015」(事務局;東京港埠頭株式会社 公園事業室)の一環として行われているもので、国内の造園・種苗・園芸関連企業・団体などと協働で、臨海副都心 シンボルプロムナード公園「夢の広場」(りんかい線 東京テレポート駅近く)を会場に、「トライアル」「修景」の2種類のサマーガーデンが展開されています。

「トライアル」ガーデンは、夏場の過酷な生育環境に対し、適合した苗を選定するための育成試験を実施するもので、デザイン的な要素は入れず、純粋に品種の生育状況を見ることのできる「見本園」として活用されています。
7月24日に有識者などによる「おもてなしセレクション(審査会)」の第1回目が開催され、今後8月中旬と9月中旬の計3回の審査会を開催、総合的に夏に強い品種が選定されます。結果が良かった品種は「おもてなしプロジェクト」の中で公表されることになっています。

一方、「修景」ガーデンは、耐暑性がある推奨品種の苗を活用し、実際の利用方法などを提案・アピールする目的で、日本文化を象徴するものをデザインに組み込んでいるのが特徴です。なかには、暑熱対策をテーマに、緑陰効果のある植物や日除け材、ミスト設備等を組み合わせた「五感の庭~涼しさのおもてなし~」(一般社団法人 緑のまちづくり支援機構)なるガーデンも出展され、話題を集めています。

 

「おもてなしガーデン」の展示期間は今年9月末まで。どなたでも自由に見学できますので、ご興味のある方は会場に足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

「花と緑のおもてなしプロジェクト2015」の詳細はこちら