住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

高齢期に備えた早めのリフォームのススメ

シニアの話  高齢期に備えた早めのリフォームのススメ

人生100年時代、あなたなはどこを“終の棲家”にしますか。内閣府の「第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」によるちと、全体の65.1%の高齢者の方々が、身体機能が低下して、車椅子や介助が必要になった場合の居場所として「自宅」を選択しています。

では、皆さんの住まいは、安心して高齢期を過ごせる状態になっていますか。国民生活センターの調べによると、高齢者の事故発生場所のうち、実に77.1%が住宅となっています。自宅で充実したシニアライフを過ごすためには、早い段階で安全・安心して暮らすための用意を行う必要があるのです。

例えば、段差の解消や手すりの設置といったバリアフリー化については、多くの人がその必要性を分かっているでしょう。しかし、安全・安心なシニアライフを自宅で過ごすためには、見えない危険への対応も必要なのです。

現在、日本では1年間に17000名以上がヒートショックによって死亡していると言われています。ヒートショックとは、暖房されたリビングから脱衣室などに移動し、入浴する場合に、急激な温度変化によって血圧が変化し、心筋梗塞などの疾患をひきおこすものです。

このヒートショックを予防するためには、住宅の断熱性能などを向上し、温度差が少ない室内環境を実現しておく必要があります。

さらに言うと、災害時の備えも必要です。高齢期になるほど、災害時の対策を万全にしておくべきでしょう。

近隣の方々とのコミュニティを充実させておくことも大事です。そのためには、近所の方々を気軽に自宅に呼ぶことができる室礼を用意しておく必要もあるかもしれません。

シニアの話  高齢期に備えた早めのリフォームのススメ

国土交通省では、「高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン」というものを策定しています。このガイドラインをもとにして、(一社)高齢者住宅協会が「人生折返し これからの住まいと暮らしを考えてみませんか 改修提案の手引き」というものを作成しています。この手引きを参考にしながら、これからのシニアライフ計画を考えながら、必要に応じて「早めのリフォーム」を検討してみましょう。