高齢の親が亡くなったり認知症になった場合、「本人がどんな生命保険に入っていたか分からない」「保険証券も見当たらない」といった場合、家族は生保各社に個別に問い合わせするしかなく負担となっていました。
(一社)生命保険協会では、こんなケースに対応するため本人が契約している生命保険について一括照会し回答する「生命保険契約照会制度」を7月から開始しました。
これまでは、災害地域での迅速な支払いのために業界横断のセーフティネットとして行われてきましたが、超高齢社会への対応の一環として、災害に加え平時においても保険金請求を行ってもらうために新たに制度を再構築したものです。
生命保険契約照会制度では、契約者・被保険者が亡くなった場合や認知判断力が低下した場合に、親族からの照会を受け付け、対象者の生命保険契約の有無について、一括して生命保険各社に調査依頼を行い、生保会社からの回答をとりまとめて照会者に回答します。
生命保険協会からの回答内容は、原則、生命保険各社の契約の有無のみ。契約の存在が判明した場合は、契約内容の確認や保険金などの請求は、契約する生命保険会社に直接連絡することになります。
平時での照会については、照会者の本人確認書類や故人の場合は死亡診断書、認知症の場合は医師の診断書など必要な書類が異なります(表参照)。
制度の利用は有料とはなりますが、WEBからも照会でき、家族の負担は大いに軽減できるといえそうです。
生保協会では、元気なうちに生命保険に加入していることや、保険契約の内容や保険証券など関係書類の保管場所などを家族と共有しておくなど、事前の備えも促しています。