住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

住宅業界におけるメタバース活用~建築・住宅・不動産の未来に向けたメタバースの使い方~

創樹社が主宰する住まい価値総合研究所は、2023年3月23日、株式会社STUDIO55の本田託也取締役(営業推進部ゼネラルプロデューサー)を迎えて、「住宅業界におけるメタバース活用~建築・住宅・不動産の未来に向けたメタバースの使い方~」と題したセミナーを開催した。

スマカチ通信  住宅業界におけるメタバース活用~建築・住宅・不動産の未来に向けたメタバースの使い方~

株式会社STUDIO55の本田託也取締役(営業推進部ゼネラルプロデューサー)

コロナ禍を契機として、オンラインを活用した住宅営業の重要性がさらに高まっている。その中で注目を集めているのが、VR空間内で提案・営業が可能な「メタバース」を活用したオンライン営業だ。

株式会社STUDIO55では、VR・メタバースプラットフォーム「shapespark」を展開しており、住宅分野での実績も数多くの実績を持っている。

同社の本田取締役によると、2022年はメタバース元年とも言えるほどの盛り上がりを見せ、この動きは今後さらに加速していくと見られているという。アメリカのブルームバーグによると、ソーシャルメディアなどのメタバース周辺業界まで含めた市場規模は67兆円に達しており、2024年には110兆円にまで拡大することが予想されているそうだ。

同社が展開する「shapespark」は、ポーランドで開発された建築プレゼンテーション用のソフトウェア。3Dモデルデータを読み込み、ノンコーディングでVR作成を行う。より簡単にVRモデルハウスなどを開設することができる。

作成したVRモデルハウスは、URLを知らせることで顧客と共有することが可能で、特別なアプリやソフトを併用することなくスマートフォンやタブレット、パソコンなどで気軽にVR空間を体験できる。

ユーザーはアバターで自由にVR空間内を移動することができ、壁や床などのカラーバリエーションをリアルタイムに変更するといった操作も行える。これまでのVRモデルハウスと、「shapespark」を活用したメタバース展示場の大きな違いが、VR空間内での接客業務などコミュニケーションを行える点だろう。

VR空間内には最大10名、プランによっては30名までアバターを投影することができる。アバターはロボット型で、頭の部分にはZoomなどのオンラインミーティングと同じように参加者の動画が表示される。アニメ的なアバターとは異なり、参加者の表情をリアルタイムに把握することができるというメリットがある。

アバター同士で音声によるコミュニケーションをとることができ、VR空間内にプレゼン資料を投影したり、ポインターなどで注目ポイントを示すといったことが行える。
営業担当者と顧客が同じVR空間内に入り、そこでVRモデルハウスを見ながら接客などを行うことができるというわけだ。

既に同社のシステムを活用し、メタバース展示場を開設する住宅企業も増えてきているという。単なるVR展示場ではなく、一歩先を行くメタバース展示場によって、オンライン上での住宅営業は次のステージへと向かおうとしている。