住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

専業主婦の生活定点観測調査

共働き世帯が増え、それが当たり前になったとすら感じていたのですが……現在も一都三県では専業主婦の割合は既婚女性の半数を占めているそうです。
東京ガス・都市生活研究所では1993年から3年ごとに「生活定点観測調査」のなかで「専業主婦」に焦点を当てて調査・分析しています。この20年の専業主婦の変化はどうなっているのでしょうか。

レポートを見ると、「家事はまとめてやっている」と回答した人の割合が大きく増加していることがわかっています。とくに20代から30代での伸びが著しく、2014年は2割を超えています。それが若い世代だけでなく、各年代ともに上昇している点が注目されます。「家事は毎日コツコツとやる」のが専業主婦というイメージだったが家事への意識が変化していることがわかります。

また、食料品の買い物頻度を聞いたところ、「週に7回以上」という人は1993年には18.8%だったのですが、2014年には6.7%へ減少。逆に「週2回以下」という人が11.6%から28.9%へと増加しています。2014年には「週3~4回以下」の人が7割を超えており、買い物は2~3日に1回程度という頻度の人が多いようです。

買い物頻度については、小売り店から大型スーパー店化で、こまめに買うよりもまとめ買いがお得だったり、重い飲み物や調味料、産直の野菜など、インターネットでの注文の普及なども背景にありそう。家事についてもこの20年間で機能的な家電や住宅設備が多く登場しており、家事省力化の流れも専業主婦の家事開放が進んでいるのかもしれません。

このほかにも、「20代の単身者社会人の変化」では、ほぼ毎日夕食を作る男性の増加、「70代シニアの変化」では2世帯同居が大きく減少し、スマホを使用してアクティブに過ごすシニアの増加など、身近に感じられる変化がレポートにまとめられています。

東京ガス・都市生活研究所「生活定点観測調査」レポート