住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

フラット35Sの金利引下げ幅が拡大

総支払額は172万~93万円の差に

平成27年2月9日から【フラット35】Sの金利引き下げ幅が従来の0.3%から0.6%へ拡大されました。
【フラット35】は(独法)住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供する長期固定金利の住宅ローンです。

この【フラット35】を申し込んだ人が、省エネルギー性や耐震性などに優れた住宅を取得する場合に適用されるのが【フラット35】Sで、借入金利が一定期間引き下げられます。

これまで金利引き下げ幅は0.3%でしたが、平成26年12月の緊急経済対策で0.6%へ拡大されました。
【フラット35】Sは、住宅の性能によって引き下げ期間が2種類あり、「金利Aプラン」は10年間、「金利Bプラン」は5年間です。

(独法)住宅金融支援機構の試算によると、借入金利1.37%で借入金3,000万円を借りると、
通常の【フラット35】では総返済額は3,778万1,766円。
これが「金利Aプラン」では3,605万4,731円、「金利Bプラン」では3,684万8,223円となります。
「金利Aプラン」で172万7,035円もお得で、「金利Bプラン」でも93万3,543円と100万円近く違うことになるのです(下表)。

 

お金の話  フラット35Sの金利引下げ幅が拡大
「フラット35」試算比較

【フラット35】Sの対象となる住宅は、「金利Aプラン」が「認定低炭素住宅」や「長期優良住宅」など5つの基準のいずれかを満たす住宅。
また、「金利Bプラン」は「断熱等性能等級4」や「高齢者配慮対策等級3以上の住宅」など5つの基準のうちいずれかを満たす住宅です。

基準の詳細は、(独法)住宅金融支援機構のホームページ

省エネルギー性能にしろ、耐震性能にしろ、ワンランク上の高い性能を求めるならば相応のコストがかかります。
しかし、快適な家に暮らしたい、安心な暮らしがしたい、安全な住まいがほしい―そうした一人ひとりの住まいに対する夢をちょっとした金額の差で諦めるのは非常に残念なことではないでしょうか。

住宅ローンは、多額なお金を長期にわたって返済していくため、ほんの少しの利率が総返済額に大きく影響します。通常金利よりも0.6%も低い金利で得た差額を、住まいの性能向上に投資するという方法もあります。

ちなみにこの金利引下げ0.6%は平成28年1月29日までの申込み受付分に適用されます。1年弱の期間に決断した人だけが、0.3%分の恩恵にあずかることができるのです。

住宅取得を検討している人は、今一度、住宅の性能と住宅ローンの総支払額を検討し直してみてはいかがでしょうか。