住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

建設・リフォーム資金の贈与は、最大1,500万円までが贈与税非課税に

平成27年度の税制改正で、「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税」の制度が延長、拡大されました。

この制度は、満20歳以上の人が、直系尊属(親と祖父母)から住宅取得やリフォームのための資金について贈与を受けた場合、一定の金額までが非課税となるものです。
平成26年12月31日までの制度でしたが、平成27年度の税制改正でその延長が決まり、平成31年6月30日までに延長されました。

贈与を受けた場合に納めなければならないのが贈与税です。
年間110万円(基礎控除110万円)を超える部分に対して課税されます。
税率は、金額によって10~50%と段階的に高くなります。

ところが、その贈与が住宅の建築・取得やリフォームである場合は、一定額が非課税となるのです。

平成26年度は、「質の高い住宅」が1,000万円まで、「それ以外の住宅」は500万円までが非課税でした。
例えば、1000万円の贈与をうけた場合は基礎控除の110万円を除いた890万円に贈与税が課税されますが、住宅を取得するための贈与であれば、110万円+500万円=610万円が非課税となり、課税対象は390万円です。さらに「質の高い住宅」であれば、無税となるのです。

平成27年度の税制改正では、適用期間の延長だけではなく、その内容も従前に比べて魅力あるものに変わりました(下表)。昨年度に比べて非課税限度額が500万円拡大されたのです。

その限度額は、消費税率10%とそれ以外の場合で異なり、かつ年を追うごとに低くなっていきます。
贈与によって住宅取得やリフォームを考えている人は、早ければ早いほどそのメリットが大きいのです。

非課税限度額

もう一つ、対象となる「質の高い住宅」の範囲、リフォーム工事の範囲も拡大されました。
これまで「質の高い住宅」は、「省エネルギー性能高い住宅」と「耐震性の高い住宅」の2つだけでしたが、加えて「バリアフリー性の高い住宅」も加えられました。

また、リフォームについては、従来の「大規模増改築」と「耐震リフォーム」に加えて、「省エネリフォーム」、「バリアフリーリフォーム」、「給排水管等のリフォーム」が対象になっています。

非課税の対象となる範囲が広がったことにより、制度の魅力はより高まりました。
例えば、平成27年中に親から2,000万円の贈与を受けてバリアフリー性能の高い住宅を建設した場合、昨年までは基礎控除の110万円のみが非課税でしたが、110万円+1,500万円の1,610万円が非課税となるのです。

近年、若い世代では、親や祖父母などからの資金援助を受けて住宅を建設する割合が高まっていますが、こうした制度を上手く活用した“得する住まいづくり”が進んでいます。