住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

結露に悩まされる新生活スタート

昨年末に引っ越してから、数年ぶりに悩まされていることがある。それは窓の結露。

引越し前に住んでいた家は、窓がすべて複層ガラス入りの樹脂サッシ。窓の結露は、室内の空気が冷たい窓のガラスやサッシで冷やされて起こる。アルミサッシや単板ガラスに比べて外の温度を伝えにくい樹脂サッシ・複層ガラスは結露が発生しにくい。

そんな“当たり前と思っていたぬくぬくとした生活”が引越しして一変した。

窓はアルミサッシで、ガラスは網入りの単板。特に寝室のガラスは睡眠時にかく汗や加湿器の湿気でびちゃびちゃ。超吸水スポンジと吸水タオルで窓を拭き上げる日々に早くも疲れ果てている。

賃貸の気軽さでまた引越しするべきか、と早くも頭を悩ませる日々である。

戸建て住宅に比べて断熱化が遅れている賃貸集合住宅。
ここにきてやっと賃貸住宅の断熱化に弾みがつきそうだ。積水ハウスが金沢市で、大東建託が伊豆市でZEH賃貸住宅を建設した。大手企業による賃貸住宅を高いレベルに引き上げる取り組みは、全体的な動きに大きく影響するだろう。

一方で、進めてほしいのがボトムアップ。そこで注目されるのが、環境省の「賃貸住宅における省CO2促進モデル事業」である。外皮性能が建築物エネルギー消費性能基準に適合する賃貸住宅を新築、または一定基準に改築する場合に費用の一部を補助する。
2017年度は5次公募まで行われ690件を超える採択が行われた。2018年度も引き続き実施される予定だ。

賃貸住宅における省CO2促進モデル事業の補助率・補助上限額

住宅の省エネ基準よりも
少ないCO2排出
補助率補助上限額
20%以上
(再エネ自家消費算入可)
1/260万円/戸
10%以上
(再エネ自家消費算入不可)
1/330万円/戸

賃貸住宅は立地や賃料などを優先せざるを得ないが、あわせて性能も重視したいというのが正直なところ。毎日の窓拭きはつらい。

“高性能は当たり前”という豊富な選択肢から選べるくらい、賃貸住宅の性能向上が急速に進んでほしいものである(個人的には数年以内に)。