住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

近所付き合いが住まいの価値に

ポラスグループの中央住宅は、千葉県松戸市で学校跡地を住宅地にするプロジェクト「オランジェ新松戸99」に取り組んでいます。廃校になった新松戸北小学校と新松戸北中学校の跡地の一部に全99戸の分譲住宅を供給しようというものです。
学校跡地の有効活用という点でも注目できるプロジェクトですが、コミュニティ形成に向けた取り組みという点でも特徴的な取り組みを実施しています。

中央住宅の「オランジェ新松戸99」では、2年間にわたり無償でコミュニティ形成に向けたサポートを行う

分譲から2年間は同社が無償でワークショップなどを開催し、住民間のコミュニティ形成を促そうとしているのです。
ポラスグループでは、コミュニティを重要視した街づくりを推進しており、これまでも同様の取り組みを行ってきました。
なぜ、ポラスグループはコミュニティを重要視しているのか。
それは、コミュニティを住環境の価値を形成する重要な要素だと考えているからなのです。

戦後の日本社会では、地域コミュニティが軽薄化し、「向こう三軒両隣」といった近所付き合いも少なくなりました。その結果、「無縁社会」とまで言われようになってしまったのです。
とくに若い世代にとっては近所付き合いが億劫なことも事実でしょう。
しかし、コミュニティはいざという時に力を発揮します。
震災などの災害発生時には、公的な援助が行き渡るまでの期間、地域の人々がお互いに助け合いながら生活を維持することが求められます。日頃から近所付き合いがある地域とそうでない地域では、やはりいざという時の力の発揮具合も異なるでしょう。

また、成熟したコミュニティがあることで、公共や民間のサービスに頼ることなく、子育て支援や高齢者の見守りサービスを活用できるかもしれません。例えば、少し出掛ける際にお隣さんに子どもの世話をお願いすることもできます。もしも近所付き合いがなければ、お金を払って保育サービスなどを利用することにもなり得ます。

近所付き合いが住まいの価値になる。住まい選びの際には、こうした視点も大事になるのです。