全国で8万戸を超えるといわれる空き家。そのなかには親が住んでいた実家を相続したケースも少なくはありません。親と離れて暮らす方にとっては、誰も住んでいない実家の管理や、売るに売れない家を抱えて困っている方もいるのではないでしょうか。
日本の空き家の1割にあたる82万戸の空き家を抱える東京都では、高齢化の進展で今後も空き家は増加することが予想されています。そこで、空き家の活用や問題解決に役立ててもらおうと、「空き家ガイドブック」を作成しています。
都が、平成28年12月から30年3月まで実施した「東京都相続空き家等の利活用円滑化モデル事業」で収集した空き家の解決事例と空き家の解決の手がかりとなる基礎知識をとりまとめたものです。
このモデル事業では、NPO法人空家・空地管理センター、東京急行電鉄、ミサワホームの3社が採択され、ワンストップ相談窓口で空き家相談に対応。期間内に解決につながった事例は42件。これに3事業者が対応した他都市等での参考となる解決事例21件を追加した63件の解決事例の中から、空き家問題を検討している人に参考になる事例を15件ピックアップし、空き家の課題や解決方法、解決のポイントなどを「空き家の事例集編」として紹介しています。
事例では「空き家に残置物が多い場合の売却事例」や、「道路に接しておらず建て替えができない場合の売却事例」「自治体から通知が届いた場合の空き家の管理事例」「自分に一番適した利活用の方法がわからない方の事例」など、悩み別に解決方法が提示されています。
また「空き家のギモン編」では、空き家問題を解決するときのさまざまな問題で代表的なものについて、Q&A方式で紹介。相続に関する手続きの流れや空き家の税金、活用方法や補助金制度などの支援策なども収録されています。
さらに「空き家解決チェックリスト」も示され、空き家の解決策が平易に完結にまとめられており、全国の空き家問題に悩む方にも必見といえそうです。
ガイドブックは、東京都のホームページからダウンロードできます。
「東京空き家」ガイドブック
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/03/22/03.html