住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

相続は時間との闘い 相続の流れを関係者で把握しておくと安心

シニアの話  相続は時間との闘い 相続の流れを関係者で把握しておくと安心

家族の死に悲しむ間もなくやってくるのが相続です。相続税の申告・納付期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内と意外と短いため、あらかじめ相続に係る手続きの流れを押さえておきたいものです。

具体的な相続手続きでは、まず亡くなって7日以内に最寄りの役所に「死亡届」を出します。本籍地の自治体に連絡がいくと戸籍に死亡の旨が記載されます。

そして相続人を調べるために被相続人(故人)の死亡の記載のある戸籍から生まれた時までの戸籍を入手。

次に遺言書の有無を自宅または公証役場等に保管していないか調べ、遺言書があれば遺言書に基づく相続に進みます。ここで相続人が増える可能性もありますので注意が必要です。

そして相続財産の有無を金融機関、法務局、税務署などで調査します。財産には、プラスの財産と、マイナスの財産があります。プラスの財産とは預貯金や有価証券、土地や家屋、自動車、家財など。マイナスの財産とは債務いわゆる借金や他人の保証人になっている債務保証など。プラスの財産とマイナスの財産を相殺してマイナスになるようなら相続放棄も選択肢に入れておかねばなりません。しかも相続放棄は3か月以内に。または限定承認といって、相続財産の範囲で精算し残った財産を相続することもできます。

相続人で遺産分割協議を行い、相続財産の名義の変更を行います。預貯金が遺産分割の対象となる場合には、相続人は遺産分割が終わる前でも一定の範囲で預貯金の払い戻しができるようになりました。これまでは被相続人が亡くなり預金凍結されると遺産分割終了までは払い戻しができませんでした。2019年7月1日からは一部の払い戻しが可能になったことで、葬儀費用の支払いなどにあてることもできるようになりました。

不動産を相続すると相続登記をして名義変更を行います。不動産の相続登記を済ませていないと、思いもよらないトラブルが発生するとも限りません。

例えば、父が遺言で「自宅は長男に相続させる」と遺言で指定しても法定相続割合は母が亡くなっており兄弟2人の場合は2分の1ずつ。遺言があっても次男が先に法定相続分を登記し第三者に売却すれば、長男は第三者と自宅を共有せざるをえない可能性があります。これに対応するためには自宅を早めに相続登記しておくことが肝心です。相続登記は所有者不明土地の問題もあって、義務化されることが検討されています。

相続税の申告は、「3000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除内に納まれば申告の必要はありません。また、保険控除や土地の評価にも様々な特例や評価減もありますので、まずは無料相談会などに参加してみて情報収集してみてはいかがでしょうか。