住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

今こそ知りたい 正しい換気方法

住まいの話  今こそ知りたい 正しい換気方法

新型コロナウイルスの感染を予防するためには、「3密」を避けることが重要であると言われています。「3密」とは、①換気の悪い密閉空間、②多数が集まる密集場所、③間近で会話や発声をする密集場面という3つ。

(公社)空気調和・衛生工学会と(一社)日本建築協会では、2020年3月23日に「新型コロナウイルス感染症制御における『換気』に関して 緊急会長談話」を発表しています。新型コロナウイルスの影響で換気に関する問い合わせが増加するなか、換気に関する正しい知識や運用方法を提供していくことを表明しています。

また、「新型コロナウイルス感染症制御における『換気』に関して『換気』に関するQ&A」も公開しています。

換気の方法には、窓などの開口部から外気を取り入れる自然換気とファンなどの機械を利用した機械換気という大きく2つの種類があります。一般的な家庭用エアコンなどは空気を循環させるだけで、換気を行っていることにはなりません。

換気の性能は換気量や換気回数で示されます。換気量とは1時間に何㎥の空気を取り入れかを示すもので、換気回数とは1時間に部屋の容積の何倍の空気を取り入れるかを示しています。

居室の換気量などは建築基準法という法律で在室者1人当たりの換気量が定められています。また、2003年7月以降に建築された住宅については、ホルムアルデヒドなどを除去するために1時間に0.5回以上の換気回数を確保できる機械換気設備の設置が義務付けられています。

しっかりと換気設備が稼働している状況であれば、2003年7月以降に建築された住宅の場合、自然換気が行われていない状態であってもある程度の換気は行われていることになります。

なお、自然換気を行う場合、1面の窓開けよりも、二方向の窓開けの方が換気量も換気効率も向上します。

新型コロナウイルスの影響で注目を集めている換気ですが、室内の空気質は居住者の健康状態などに様々な影響をもたらします。とくに子供は、大人よりも体重当たりの呼吸量が多く、室内空気質の影響を受けやすいと言われています。新型コロナウイルスに限らず、様々な空気汚染物質から身を守るためにも、これを機会に住まいの換気について考えてみてはどうでしょうか。