住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

家事負担軽減へ 家事支援サービス利用のハードルを下げる住まい

暮らしの話  家事負担軽減へ 家事支援サービス利用のハードルを下げる住まい
家事負担軽減に関する様々な提案を盛り込んだポラスマイホームプラザの「育実の丘 東大宮 サウスブロック」。

総務省の平成28年社会生活基本調査結果によると、子どもがいる共働き世帯において、女性は週平均233分を家事関連の時間に費やしています。対して、男性はわずかに29分。この結果をみる限り、男女間の家事分担の平等化に向けて道のみはまだまだ遠そうです。

女性の家事負担については、電化製品などの普及によって、かなり減少しているような印象がありますが、実はそれほど減っていないという調査結果もあります。例えば、衛生観念の高まりによって、洗濯回数などが増加することで、むしろ負担が増しているのです。

なおかつ、今や子どもを育てながらフルタイムで働く女性も少なくありません。女性の負担は増えるばかりです。最近では男性の育休取得なども進みつつありますが、女性の負担を大幅に減らすまでには至っていません。

こうしたなか、日本でも家事支援サービスをもっと普及させるべきという声が高まっています。つまり、家事をアウトソーシング化することで、女性の家事負担を減らそうというわけです。

ただし、家事支援サービスを利用するためのハードルもあります。経済産業省の平成26年度 女性の活躍推進のための家事支援サービスに関する調査によると、これまでに家事支援サービスの利用率はわずかに約1%でした。家事支援サービスを利用しない理由としては、価格が高いといった意見が最も多く、次いで「他人に家の中に入られることに抵抗があるため」、「他人に家事等を任せることに抵抗があるため」といった意見が多くなっています。

価格の高さについては、ここにきてサービス利用料を抑えた家事支援サービスを提供する事業者も登場してきていますが、他人を家に入れて、家事をしてもらうことに対する抵抗感は、日本人ならではの問題かもしれません。

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住宅内をプライベートゾーンとパブリックゾーンに分けることで、近隣住民などとの交流も図りやすくなります

ポラスグループのポラスマイホームプラザの分譲住宅「育実の丘 東大宮 サウスブロック」(埼玉県さいたま市)では、家事支援サービスを利用しやすい工夫を施した住宅を提案しています。具体的には、1階を中心としたパブリックゾーンと2階を中心としたプライベートゾーンに分けて、家事支援サービスを提供する人がパブリックゾーンだけに入れるような設計を施しているのです。プライベートゾーンには、ナンバーロックをつけたドアからしか入れません。これによって、他人が自宅に入ることへの抵抗感を減らそうというわけです。

パブリックゾーンとプライベートゾーンを明確にすることで、近隣の方々などを招きやすくもなるでしょう。

加えて、イオングループの家事代行サービス会社であるカジタクのサービスを月1回2時間×6回利用できます。家事代行サービス付きの分譲住宅になっているのです。

女性の家事負担を減らすためには、家事支援サービスの利用を前提とした住まいづくりを検討することも必要かもしれません。