住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

コロナ禍で実感 ローリングストックの大切さ

経済産業省は「ながら備蓄(ストック)」を推奨

経済産業省は「ながら備蓄(ストック)」という習慣を推進しようとしています。コロナ禍のなかで、一時期、深刻な品不足が発生しました。こうした緊急事態に備える新習慣が「ながら備蓄」です。

食料品・飲料・生活用品・化粧品など、普段使うモノをちょっと多めに買い置きして、使ったらまた買い足すことで日常から緊急時に備えようというわけです。

こうした考え方は、ローリングストックとして以前から防災対策として注目されてきました。緊急時に備えて保存食などを備蓄し、普段から消費しながら新しいものを在庫していくというサイクルを回していくものです。

これによって、いざという時に、保存食の消費期限が切れていたという事態を避けることができます。

なお農林水産省では、災害時に備えた食品ストックガイドを公開しています。このガイドによると、最低3日分~1週間分×人数文の食品を備蓄することが望ましいそうです。また、「パッククッキング」という食材を入れたポリ袋を鍋で湯せんして加熱するだけで料理ができる調理方法や備蓄食品の収納テクニックなども紹介しています。

同省では、「要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド」や「災害時に備えた食品ストックガイド(概要版)」といった資料も公開しています。

とは言っても、普段からローリングストックを意識することは難しいでしょう。「上手くローリングストックを続ける自信がない」という人のために、ローリングストックに役立つサブスク型のサービスも登場してきています。一定の月額料金を支払えば、定期的に保存食にもなる食品を宅配してくれるというものです。

例えば日清食品では、3カ月毎に自動でカップヌードルが届くサービスを展開しています。初回時にはカップヌードルのほか、カセットコンロやカセットボンベ、保存水、片手鍋などが入った特製ボックスが送られていきます。初回時を除くと、3カ月毎に2000円で9食のカップヌードルが届くため、月々では約670円となります。

日清食品のカップヌードル ローリングストック

コロナ禍で備蓄の大切を痛感した人も多いと思います。万が一の時に心の余裕を保ち続け、冷静な行動をとることができるようにするためにも、ローリングストックについて考えてみましょう。