住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

在宅ワークで高まる健康二次被害リスクとは

暮らしの話  在宅ワークで高まる健康二次被害リスクとは

新型コロナウイルスの影響により急速に在宅ワークを実践する人が増える一方で、健康二次被害に警鐘を鳴らす声が高まっています。

(一社)日本生活習慣病予防協会は医師338名に緊急アンケートを実施、その結果から痛風や高尿酸血症などのリスクが高まっていることが分かりました。

アンケート結果によると、ステイホームやリモートワークの広がりによる影響で痛風や高尿酸血症の新規患者さんが増えている(「とても増えている」+「増えている」)と答えた医師は合計113名で、全回答者の33.4%を占めています。

また、社会的なリスクとして、日本全体で痛風や高尿酸血症の患者が増える懸念がある(「増える」+「やや増える」)と回答したのは322名で、全体に占める割合は95.0%に達しています。

筑波大学の田中喜代次名誉教授は、「テレワーク・自宅待機による運動不足で生活習慣病のリスク」というレポートで、在宅ワークによる運動不足の影響を試算しています。

このレポートによると、自宅から職場までの移動に往復2時間かかると仮定すると、おおよそ300kcal程度のエネルギーを消費することになるそうです。職場内での移動や昼食のための移動を含めると400kcalを超えます。

自宅内だけの場合、エネルギー消費量はおおよそ50kcal。その差は350kcalというわけです。田中名誉教授によると、この状態が続くと1カ月で1㎏の体重が増加する計算になるそうです。さらに、発汗量の違いによって脂肪や血液にも水分が貯えられるので、実際には1.5~2㎏ほど増える心配があるようです。

こうした身体的な変化が健康二次被害をもたらす懸念があるというわけです。それだけに、在宅ワークを実践する方々にとっては日常的に運動を行うことを意識した方が良さそうです。

スポーツ庁では、ホームページでコロナ禍のなかでの自宅や屋外で安全に運動・スポーツをするポイントを紹介しています。家の中で手軽にできるスポーツメニューなども紹介しており、健康的なテレワークの実践に向けたヒントになりそうです。