ピッキング犯罪の急増をきっかけに、住まいの防犯が強く意識されていますが、最近の状況はどうなっているのでしょうか――。
警察庁が発表した刑法犯状況で、重要窃盗のうち侵入窃盗をみると、平成17年以降、認知件数は減少を続けており、平成27年は、その17年に比べ約16万件もの大幅な減少となりました。
侵入窃盗の6割を占める「住宅」での侵入窃盗の認知件数は、平成17年の14万6,243件から、27年は5万995件とほぼ3分の1、一貫して減少を続けています。とは言え、全国で5万件もの住宅侵入盗が発生しているのは見逃せません。
検挙をみると、平成27年は若干増えましたが2万7,876件と、認知件数の54%と約半数にとどまり、捕まっていません。
手口を住宅別にみると、空き巣や忍び込みは、4階建て以上の共同住宅での発生が大きく減少する一方で、一戸建て住宅は空き巣の占める割合が上昇しており、平成27年は63%になっています。
侵入口については、一戸建て住宅、3階建て以下の共同住宅では窓からの侵入が半数を占めており、その6割がガラス破り。4階建て以上の共同住宅では、窓からの侵入は4割にとどまり、表出入口からの侵入がおよそ半数。
逆に、かつて被害が多く社会問題になっていたピッキングは激減し、対策が進んだことがうかがえます。
このほか、どちらの住宅も、玄関や窓のうっかり閉め忘れの無締りが多く、その隙をドロボウに狙われている様子。さらに、最近では、合鍵による施錠開けがかなりの数にのぼっており、入居者が入れ替わる賃貸住宅では特に注意が必要と言えます。
なお、今年1月~6月は、住宅侵入盗は1万9,434件。そのうち空き巣は1万3,622件、忍び込みは4,825件、居空きは987件で、昨年同期と比べ、のきなみ2ケタの減少となっています。