創樹社が主宰する住まい価値総合研究所(スマカチ)は、2025年8月26日にスマカチ見学会「米国発 HOMMAスマートホーム体験会」を開催した。今回は、新興スマートホームメーカーHOMMAの東京ショールームを訪れ、最新のスマートホームを体験した。
操作要らずの次世代スマートホーム
全てのデバイスがビルトイン設計
HOMMAは、日本人起業家の本間毅氏が立ち上げたスマートホームメーカー。2016年にアメリカのシリコンバレーでスタートし、日本には2024年10月に進出してきた。
一般的にスマートホームと言えば、後付けしたIoT機器をネット回線に接続して遠隔操作できるようにした住宅を指す。しかし、機器の接続設定が複雑であるほか、最終的にはスマートフォンやスマートスピーカーなどを介して人が都度アクションを起こす必要があるなど煩わしさが残る部分もある。
一方、HOMMAのスマートホームでは、全てのIoT機器がビルトインで設計されているため、複雑な接続設定が不要。50㎡程度の住戸であれば、入居からわずか20分ほどでスマートホーム機能を利用することができる。さらに、住戸に1台エッジコンピュータを設置。室内各部にも人感センサーを埋め込み、ローカルネットワークを介してAIで制御することで、センサーが人を感知すると自動で照明や空調が起動する仕組みとした。人の手による操作は一切要らず、シームレスなスマートホーム体験を可能にする。
「スマートホームの価値は、単に機器がインターネットにつながることや、遠隔操作できることではない。HOMMAのスマートホームは、スマホやスピーカーを使う従来のスマートホームとは別物」とHOMMAの府内友洋マネージャーは話す。
また、時間ごとに照明の明るさ・色調を自動で変更するサーカディアンライティングも取り入れた。人間が本能的に宿している体内時計(サーカディアンリズム)に合わせた照明設定をあらかじめHOMMAで用意。1日を「朝」「午前中」「午後イチ」「日没」「夜」の5つに分割し、それぞれの時間帯に最適な照明を自動で灯す。こうすることで、フィジカル・メンタルヘルスやパフォーマンスの向上が見込めるという。まさに、住宅が人に寄り添う典型と言えよう。
そのほか、必要に応じて手動操作への切り替えが瞬時に行えるよう、ある程度のスマートホーム機能を集約したコントロールパッドも部屋の各所に設置している。
如実な賃料アップ効果など確認
米国での実績にはなるが、HOMMA HAUS Mount Taborという全18世帯の賃貸集合住宅にHOMMAのスマートホームを導入した際は、周辺物件と比較して賃料を10.6%上乗せすることに成功した。同物件の入居率は2024年4月時点で100%となっており、賃貸更新率も全米平均より19.5%高い。
今後は、留守番見守り機能の追加を予定している。人感センサーを活用し、鍵が開いていないのに寝室だけ電気が点くなど住戸内で不自然な機器の挙動を感知すると、居住者に通知が届く仕組みだ。防犯面にも配慮し、導入物件のさらなる付加価値向上につなげる。

