近年、その脅威が急速にクローズアップされてきたPM2.5。何が恐ろしいのでしょうか?
PM2.5とは、直径2.5マイクロメートル以下の粒子のことで、本来は粒子の大きさを表す用語です。軽く、浮遊しており、水滴も含まれます。人の健康にとって恐ろしいのは、硫黄酸化物や窒素酸化物などが含まれているからです。
これが影響を及ぼす健康被害は多岐にわたります。
空気中に浮遊するPM2.5を常に吸い込んでいれば気管支炎や気管支喘息、
肺がんなどの病因になります。また、肺の奥まで入れば肺胞から血管に入りこんで血管を詰まらせ、高血圧や心不全、脳梗塞を引き起こし、胃や腸に入れば小さな血管を詰まらせ下血を引き起こします。
また、硫黄酸化物や窒素酸化物などを含む浮遊した水滴が目に入れば、目薬のごとく角膜の表面に広がって角膜を傷つけます。鼻の粘膜などに付着すれば、異物と勘違いした自己防衛機能が一生懸命働いて過剰なアレルギー反応が起きることもあるそうです。
それでは、どのようにして防げばよいのでしょうか?
そもそも家にいれば安心なのでしょうか。
そんなことはないのがPM2.5の怖いところです。
極小のため家の隙間からなんなく入り込んできます。そして、いったん室内に入り込むと空調などの風で拡散し、家中に広がってしまいます。
大切なのは、家の中に入れないこと。
PM2.5の濃度が高い日は、窓や扉の開放を控え、家に入る前には服や靴をまんべんなくはたきましょう。
軽いPM2.5は、はたけば簡単に落とせるそうです。洗濯物についていても同じようにはたけばOK。ただし、家の中に入ってからはたくと空気中に浮遊して広がってしまいます。
さらに、もっと念入りにPM2.5の浸入を防ぐのであれば、住宅の気密性を高めて隙間を減らし、PM2.5専用のフィルターをつけた換気システムでシャットアウトする手立てもあります。
目に見えない脅威。目に見えないからといって何もしなければ手遅れになってしまうかもしれません。