地震による建物被害は、同じ地域であっても建物の構造や地盤の状況によって異なります。
地震直後は情報やインフラも機能しないことが多く、地域の個々の住宅の状況を把握するのは難しいのが実情。東日本大震災のように、被災地域が広範囲にわたると、なおのこと住宅の復旧に時間が掛かってしまう恐れがあります。
そんななか、ミサワホームがKDDIなどと被災度判定計「GAINET(ガイネット)」を共同開発しました。地震発生時に、基礎部分に設置した計測部が、建物の構造や地盤の状況などを踏まえて建物の被災度を瞬時に判定し、倒壊の危険性を居住者に知らせるというもの。居住者は「すぐに建物の外に出た方がいいぞ」といった判断がしやすくなります。
加えて、「ガイネット」はLTEネットワークでセンターサーバーと常時つながっており、「ガイネット」で計測した地震や被災度といったデータは、瞬時にセンターのクラウドサーバーに集約されます。
つまり、ミサワホームでも地震後の地域の住宅の建物ごとの被災状況を把握できるのです。
そのため、緊急度に応じて、的確な復旧活動が可能になります。
地震はいつ、どこで発生するのか予測するのが難しい自然災害です。
それだけに、万一地震が発生したときに的確な行動をとるためにも、精度の高い判断材料を誰もが望むはずです。「ガイネット」のようなシステムがその助けになるはずです。
ミサワホームは今年4月から「ガイネット」を、同社の販売する戸建住宅向けに販売しており、価格は施工費込みで13万円程度。
家族の安全や建物の早期復旧が確保できることを考えれば、決して高いとは言えないでしょう。