台風や地震などの自然災害が発生すると、瓦屋根が風で飛ぼされたり、地震の揺れで落下している光景をよく目にします。そうした光景を目の当たりにするたびに、「やっぱり瓦屋根は自然災害に弱いのか...」と思う人も少なくないでしょう。
本当に瓦屋根は自然災害に弱いのでしょうか。
古い屋根瓦では、桟木と呼ばれる木に瓦をひっかけて釘で固定されています。瓦の下に土を敷き詰めて、その上に瓦を施工していく方法もあります。こうした方法で施工されている瓦屋根の場合、どうしても強風で飛ばされたり、地震の揺れで落下するリスクが高まります。
対して、最近施工された瓦屋根では、ガイドライン工法というものが採用されているケースが多くなっています。これは瓦屋根ひとつひとつをしっかりと固定していく工法です。
(一社)全日本瓦工事業連盟によると、このガイドライン工法は震度7の巨大地震でも耐えることができるそうです。風については、新幹線(250㎞/h)並みの強風が屋根を直撃しても持ちこたえるような性能を備えているそうです。
国土交通省は、現在、ガイドライン工法で瓦屋根を施工することを新築時に義務付けるための法改正を進めようとしています。毎年のように自然災害が発生するなかで、瓦屋根がもたらす災害リスクを抑制しようというのが狙いのようです。
瓦屋根は、施工方法によって自然災害への耐性が大きく変わります。日本の伝統的な住まいを構成する大切な要素でもある瓦屋根。日本古来の文化を継承するためにも、ガイドライン工法によって自然災害にも強い美しい瓦屋根を普及させていきたいところです。