街の魅力とは何でしょうか?
これまでにも街の魅力度をさぐるさまざまな調査が行われてきましたが、それらの多くが「公共・福祉施設の充実度」や「自治体の財政力」といった機能性、合理性、市場性などを指標としてきました。
しかし、街の魅力とは、それらのキーワードだけで測れるものなのでしょうか?
ネクスト(東京都港区、井上高志社長)の社内シンクタンク「HOME‘S総研」は、そうした疑問から、新たな指標に基づく「センシュアス・シティ・ランキング」を発表しました。これは「共同体に帰属している」「匿名性がある」「ロマンスがある」「機会がある」「食文化が豊か」「街を感じる」「自然を感じる」「歩ける」という8つの指標に基づく街のランキングです。
その結果は―トップは文京区。以下20位までは、大阪市北区、武蔵野市、目黒区、大阪市西区、台東区、大阪市中央区、金沢市、品川区、港区、千代田区、静岡市、横浜市保土ヶ谷区、盛岡市、渋谷区、荒川区、福岡市、仙台市、那覇市、大阪市都島区と続きます。
このなかで注目したいのは、従来のランキングでは上位に入ってこない文京区(1位)や、台東区(6位)、荒川区(16位)といった下町がランクインしてきたことです。
また、地方都市では、金沢市(8位)、盛岡市(14位)、静岡市(12位)、福岡市(17位)等が上位にランクイン。
これらの街は総じて8つの指標の偏差値のバランス良いことに加え、「食文化が豊か」の点数が高いという特徴が出ています。魅力ある地方都市には豊かな食文化があるということなのでしょう。センシュアス度が高い街ほど、多種多様な飲食店があり、ショッピングモールではなく商店街やセレクトショップが多く、文化的な施設が多いという結果となっています。
また、コンパクトであり、単身者、外国人、性的マイノリティといった多種多様な人にとって暮らしやすい環境であることも結果に現れています。
センシュアス度が上位の都市になるほど、居住エリアの満足度・幸福実現度が高いと言う結果も出ています。
幸福であるということは、街の魅力を測る重要なキーワードといって良いでしょう。
新居・転居を考えている方は、一度、センシュアス度から考えてみてはいかがでしょうか。