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“初期費用0円”の省エネリフォーム『エネカリ』 電力グループ会社ならではの新たな価値提案、省エネを所有から利用へ

“省エネをすべての家に“
電力グループ会社ならではの新たなサービスで
初期費用を抑えつつ自宅電力費を削減へ

住まい価値総合研究所は、9月20日に「“初期費用0円”の省エネリフォーム『エネカリ』 電力グループ会社ならではの新たな価値提案、省エネを所有から利用へ」と題して第35回シンポジオを開催した。

「エネカリを通して省エネ機器を所有から利用する時代へのシフトを提案したい」と語るTEPCOホームテックの岩崎辰之代表取締役社長

TEPCOホームテックの岩崎辰之代表取締役社長を講師に迎え、リフォームビジネスを新たな価値転換でイノベーションする同社の取り組みや事業戦略などを語ってもらった。

同社は東京電力エナジーパートナーとエプコの共同出資により昨年8月に設立された。東京電力エナジーパートナーが有する約2,000万件の顧客の電力使用に関する情報や省エネルギーに関する知見・技術と、エプコが有する100万件を超える住宅設備設計のノウハウ、住宅全般のアフターメンテナンス機能やシステム開発力など、互いの強みを活かすことで住宅の省エネ総合サービスを提供している。

同社のサービスで注目を集めているのが今年の4月にスタートした「エネカリ」。電気料金と省エネ機器をパックにした新しいエネルギーサービスで、ユーザーは省エネ機器を購入せずに利用することで、省エネ機器購入の初期費用を削減しながら、自宅の電力費を削減できる。省エネ機器は初期費用0円で設置。機器の利用料は毎月の電気料金とパックで支払い、10年の契約満了時には省エネ機器が無料で譲渡される。レンタルの対象となる省エネ機器はIHクッキングヒーターやエコキュート、太陽光発電システム、蓄電池。今後はエアコンなど省エネ機器全般を対象にしていく方針だ。

岩崎氏は同サービスについて「消費者の省エネに対する意識は高まっているが、初期投資負担を減らすことが課題のひとつになっている。エネカリは省エネ機器を所有するという発想を利用するというサービスに転換したことが大きな特長だ。エネカリを通して省エネ機器を所有から利用する時代へのシフトを提案したい」と語る。

そのほかにも同社は、太陽光発電システム設置モデル「ソーラーエネカリ」も提供している。ソーラーエネカリは、太陽光で発電した電気の自家消費と余剰電力分を通して電気料金の削減を実現し、太陽光発電システムの利用料を支払うというもの。月々の利用料は電気料金とパックで引き落とされるため、住宅オーナーは初期費用0円で太陽光発電システムを搭載することが可能だ。太陽光発電設備はソーラーエネカリの利用契約(原則10年)が満了した時点で無償譲渡する。

「省エネリフォームは現状はあまり進んでいない。エネカリというサービスを通して進めていきたい」と岩崎氏。地域でのイベントやPRの強化、住宅メーカーとの連携を強化することで所有するものと考えられている省エネ機器の“利用”を進めていきたい考えだ。

9月20日に行った第35回シンポジオの様子。リフォームビジネスを新たな価値転換でイノベーションするTEPCOホームテックの取り組みや事業戦略などを語ってもらった