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地域を元気にするまちづくりを見に行こう! エンジョイワークスが進めるプロジェクトの実態とは

創樹社が主宰する住まい価値総合研究所は、2019年6月13日、「スマカチ見学会『地域を元気するまちづくりを見に行こう! エンジョイワークスが進めるプロジェクトの実態とは』」を開催した。

空き家問題が深刻化する一方で、遊休資産化した空き家を有効活用することで、地域に活力をもたらそうという動きをする企業が全国で登場してきている。その先駆者がエンジョイワークス。

2017年12月に不動産特定共同事業法が改正され、新たに小規模不動産特定共同事業という枠組みが創設された。エンジョイワークスでは、この小規模不動産特定共同事業の許可を全国で初めて取得。不動産特定共同事業のスキームも活用しながら、まちづくり“参加型”クラウドファンディングサービス「ハロー!RENOVATION」を展開している。

見学会では、「ハロー!RENOVATION」などを通じて再生し、地域の資産として有効活用されている様々な事例やプロジェクトを見学した。そのひとつが、神奈川県葉山町の「古い蔵」を1日1組限定の「泊まれる蔵」にリノベーションしたホテル「The Bath and Bed Hayama」。様々な宿づくりへの参加の仕掛けを用意し、投資型クラウドファンディングを実施、募集スタートし、わずか1日で目標募集額の600万円を達成している。

また、京急電鉄「KEIKYUアクセラレーター」プログラムに採択され、「葉山女子旅きっぷ」との連携企画で実証実験を実施し、投資経験のない女性をターゲットとするなど、様々な試みを実践している事例だ。

同じく葉山町にあるシェアハウス「ハーブと発酵研究所」は、築年不詳の戸建を、エンジョイワークスの社員でリノベーションしたシェアハウス。入居者とエンジョイワークスでハーブを育て、発酵食品を作り、それをツールとして人や地域とつながるような活動をしている。共用部を使ってハーブと発酵に関するワークショップイベントも開催しており、地域コミュニティ形成の場としても活用しているという。

見学会参加者によるグループディスカッションも行われました
「古い蔵」を1日1組限定の「泊まれる蔵」にリノベーションしたホテル「The Bath and Bed Hayama」

空き家再生プロデューサーの育成にも着手

見学会では、最後に「空き家再生はなぜビジネスにならないのか」というテーマのもと、参加者によるグループディスカッションも実施した。参加者をグループに分け、空き家再生をビジネスとして成立するために何が必要かを議論し、最後にグループ代表者による発表を行った。

エンジョイワークスでは、空き家再生プロデューサーの育成にも乗り出している。同社がこれまで培ってきたノウハウや経験を活かし、空き家再生プロジェクトを担える人材を全国で育成していこうとしているのだ。

遊休資産化した空き家を地域を楽しくするための資産へと変えていく―。エンジョイワークスが構築したプロジェクトモデルが全国各地で水平展開されることで、空き家問題のよりポジティブな側面がクローズアップされることになりそうだ。