近年、住宅取得に際して新築にこだわらない層が増えています。
中古住宅を購入し、好みにリフォームして暮らす―そんな賢い選択をする人が増えているのです。
とは言っても、ハズレの中古住宅は避けたいもの。そこで重要になるのが“情報”です。
中古住宅や土地に関する情報は、不動産情報ネットワーク「レインズ」を通して流通しています。
ここには成約価格や成約時の間取りといった中古住宅の基本的な情報が集められていますが、中古住宅を買う時に気になるのは、そうした物件情報だけではないですよね。
例えば、小さなお子さんがいるならば周辺の学校などに関する情報は欲しいでしょうし、地震が起こった時に液状化しないかと心配な方もいるでしょう。
住宅購入は、決して建物の情報だけにとどまらないのです。
国土交通省は2013年度から不動産に関する情報を集約した「不動産総合データベース」の構築に取り組んでいます。
このデータベースは中古住宅の物件情報と周辺地域情報を一体的に提供するもので、過去の不動産取引履歴に加え、住宅履歴情報やマンション管理情報といった様々な情報を集約していく予定です。
さらに、国や自治体などが所有しているインフラ整備状況や、法令制限の情報、ハザードマップや周辺の公共施設の立地状況・学区情報、周辺の不動産価格といった周辺地域情報もデータベースに集約します。
集約した情報は既存のレインズのネットワークを介して宅建業者に提供されます。
今年6月、このデータベースの試行運用が横浜市で始まりました。
レインズ、国土交通省、国土地理院、住宅履歴情報蓄積・活用推進協議会、マンション管理センターなどが保有する基礎的な情報に加え、横浜市が保持・管理するローカルな不動産・生活関連情報(インフラ整備情報、ハザードマップ、浸水想定区域、固定資産税路線価など)を加えています。
来年2月末まで、神奈川県のレインズ会員の宅建業者を対象にデータベースを公開し、宅建業者の実際の業務に役立ててもらいます。
この横浜市における試行運用を行った後、来年度から全国展開に向けたシステムの開発を行い、2018年度から本格運用を開始する予定です。本格運用となれば、より詳細な中古住宅の比較検討ができるようになりそうです。