住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

ネットで個人間の不動産売買できる時代に

不動産の売買は、仲介会社に頼むのが一般的です。
しかし、仲介手数料が発生しますし、仲介会社を通じて売主・買主に物件情報が伝えられますので、価格情報などが不透明だという指摘もあります。
こういった問題の解消を図るためにヤフーとソニー不動産が開始した「おうちダイレクト」というサービスが話題を呼んでいます。

「おうちダイレクト」では、中古マンションの売却検討者がオーナー登録をすると、「Yahoo!不動産」内の「おうちダイレクト」カテゴリー上に無料で物件を掲載できます。
一方、マンション購入検討者はYahoo! JAPANのIDを登録すれば、「おうちダイレクト」上の掲載物件情報を閲覧できます。
ネット上で売り主に直接質問し、詳細な内容を問い合わせることもできます。

住宅業界動向  ネットで個人間の不動産売買できる時代に
ヤフーとソニー不動産は「おうちダイレクト」で日本版FSBOを構築できるのか―

購入検討物件の内覧段階からは、ソニー不動産が買主・売主と契約を結び、契約、決済、引き渡しなどの実務上の仲介サポートを行います。
ただし、買い主には従来の一般媒介契約と同様に3%+6万円を上限として手数料が発生しますが、売り主に対しては仲介手数料を無料としています。

米国などでは仲介会社を挟まず、売り主が自ら値段を決めて売り出す中古住宅が全流通量の2~3割を占めており、「For Sale By Owner(FSBO)」と呼ばれています。
いわば、ヤフーとソニー不動産はこのFSBOの日本版を作っていこうとしているわけですね。

すでにネットを通じて個人間売買できるサービスについては、小売りではアマゾンで、宿泊ではAirbnbで当たり前になってきています。
不動産についても個人間売買があたりまえになっていくのでしょうか―。今後に注目です。