リアルエステートテック(RealEstateTec)という言葉をご存じでしょうか。リーテック(ReTec)、不動産テックなどとも呼ばれています。
リアルエステートテックとは、Real Estate(不動産)とTechnology(技術)を掛け合わせた造語です。不動産事業にインターネット、ビッグデータ、AIなどのテクノロジーを導入することによって創出されるサービス分野のことを指します。
進化するIT技術を導入する動きは「○○Tech」として広がりを見せ、健康分野で「ヘルステック」(Health Tech)、広告分野で「アドテック」(Ad Tech)、教育分野で「エドテック」(EdTech)など、登場してきています。
さて、リアルエステートテックです。
日本でリアルエステートテックが注目されるきっかけとなったのは、ITを活用した客観的な不動産価格査定サービスの登場でないでしょうか。昨年、秋頃からいくつものサービスが開始されています。
不動産購入検討時、最も不安なのは「価格の不透明さ」です。売主はできるだけ高く売りたいと思い、一方で、買主はできるだけ安く買いたいと思います。間に入る仲介会社が価格を決めますが、この価格を不透明だと思っている方も多いのではないでしょうか。
これをクリアにするために提案されたのがITを活用した不動産価格査定サービスです。
日本で先鞭をつけたのは、ソニー不動産。昨年10月、ソニー独自のAIを応用した「不動産価格推定エンジン」を開発しました。近隣物件の取引実績や、様々な周辺環境(最寄り駅までの距離や商業施設の充実度、公園の有無など)に関するビッグデータをAIで解析し、不動産の成約価格を推定。一都三県すべての中古マンションの推定成約価格を算出し、ネットマップ上に表示できます。推定成約価格のデータは最新のものに毎週自動で更新。推定成約価格の精度は、世界最高水準だそうです。
IT技術の導入により、売る人にとっても、買う人にとっても“わかりやすい”環境が整備されてくるといいですね。