住まいや住生活にかかわる幅広い業種の企業が集まり、関連行政機関や団体、学識経験者、メディアなどの協力を得て、さまざまな視点から研究活動に取り組んでいます。

借主の好みを反映できる「DIY型賃貸」に広がり

「DIY型賃貸」という新たな賃貸借の形態をご存知でしょうか。
持家とは異なり、賃貸住宅は勝手に改装するわけにいかず、借主の好みを反映することは難しかった。しかし、「DIY型賃貸」という賃貸借の形態をとれば、そうしたことが可能になります。

「DIY型賃貸」の基本的なパターンの一つが「借主負担DIY型賃貸」です。
これは借主がすべての改修費を負担して改修を行う方法です。

「自分の好みを反映したいけれども、賃貸住宅にわざわざ高い改修費コストを払うのも…」という人に向けて、一部分だけDIYというパターンもあります。例えば、不動産仲介、リノベーション、シェアハウス、賃貸管理事業などを行うRバンク(東京都渋谷区)では、躯体とキッチンなどの水廻りは貸主負担で改修し、床・壁などの内装について借主がDIYで改修する方法を提案しています。

さて、「部屋を自分好みにしたいが、いきなりDIYと言われても…」と、とまどう方もいるかもしれません。そこで、こうした方をサポートする取組みも出てきています。

例えば、らいおん建築事務所(東京都豊島区)はワークショップ形式での改修を提案しています。借主は友達などと一緒にDIYコーディネータの助言を受けながら作業を行うものです。

また、シェアハウス事業者のユウト(東京都豊島区)はボランティアの力を借りることを提案します。同社が展開する「ユウトヴィレッジ」では、戸建ての空き家をシェアハウスに賃貸化する際、ボランティアをFaceBookで募集し、コスト面・作業面で改修の負担を軽減しています。

自分ひとりでDIYを行うよりも、プロに手伝ってもらい、友人やボランティアなどと協力しながら行えば負担は少なく、安心でしょう。そして、何よりも“楽しみ”という付加価値が生まれます。

自分自身が住まいに手を入れる―たとえ賃貸住宅であっても、その楽しみを通じて住まいにいっそうの愛着がわくのではないでしょうか。DIY型賃貸住宅の普及によって、ますます賃貸住宅の魅力が高まりそうです。